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ビタミンDとインフルエンザ感染

                 

前回のブログでは、ビタミンDが骨や腸の健康を守り、感染症予防にも役立てることができるとご紹介しました。
今回は「ビタミンDとインフルエンザ感染」の関係について、日本で行われた研究をご紹介します。

ビタミンDは免疫の調整役

ビタミンDはウイルスが体内に侵入したときに免疫が働きやすい状態を整える役割があります。
そのため、感染症に対する抵抗力を支える栄養素として注目されています。

研究でわかったこと

今回紹介する研究は、日本人労働者の冬のインフルエンザ発症と、血中ビタミンD濃度(25(OH)D)の関係を調べたものです。

まず、参加者全体で比較すると有意差はありませんでしたが、ワクチン未接種者ではビタミンDの濃度が低い人ほど発症しやすい傾向がありました。


ビタミンD濃度(25(OH)D)が30 ng/mL以上ある人に比べて、
濃度が低い人は 約7倍発症しやすい というデータでした。

つまり、ビタミンD不足の状態はインフルエンザのリスクにつながる可能性がある
ということが示されています。

当院スタッフのビタミンD濃度を測定したところ

今年の春、当院スタッフ全員のビタミンD濃度(25(OH)D)を測定してみると、

全員が 20 ng/mL 未満という結果でした。

これは「不足している」とされるレベルです。

北海道では日照時間が短いこともあり、
普通の食事だけでは理想的なビタミンD濃度に達しにくいのだと思います。

日常でできるビタミンD対策

  • 日光に当たる(1日15〜30分)
  • 魚やキノコ、卵などの食品から摂る
  • 冬はサプリメントを併用するのも選択肢(過剰摂取には注意)

    →詳しくは『ビタミンD』のブログ
    をご覧ください。

健康管理の一つとして

ビタミンDの状態を把握しておくことは、冬の健康管理に役立ちます。必要に応じて補充を行うことで、体調を整える一つの助けになります。手洗い、うがいに加えてビタミンDの積極的な摂取も有効な感染症対策と考えます。

当院では、自費診療にはなりますが
血中ビタミンD濃度(25(OH)D)の測定が可能です。

「自分は不足していないかな?」

「一度チェックしてみたい」という方は、お気軽にご相談ください。

結果に合わせて、食事・生活習慣・サプリメントの取り入れ方など、無理のない方法をご提案しています。

冬の健康管理の一助として、参考になれば幸いです。

参考文献
Clinical Nutrition and Metabolism. 2017 Oct;36(5):1288-1293.

函館・みはら循環器内科
院長 佐藤
2025.12.12