亜鉛
体調の鍵を握るミネラル・亜鉛
~知られざるその重要性~
皆さん、こんにちは!
今回も、健康を支える栄養素についてお話ししていきたいと思います。
前回は「マグネシウム」について取り上げました。今回は同じく重要なミネラルである「亜鉛」に注目してみたいと思います。
「亜鉛」と聞くと、なんとなく“体に良さそう”という印象はあっても、実際にどんな働きをしているのか、どんな人に特に必要なのかを詳しく知っている方は少ないかもしれません。今回は、そんな亜鉛が体の中でどのように働いているのか、不足するとどんな影響があるのか、そして日々の生活の中でどのように意識して摂取すればよいのかを、わかりやすくご紹介します。
ぜひ最後までお読みいただき、ご自身の体調と照らし合わせてみてくださいね。
亜鉛のはたらき──“代謝”に深く関わるミネラル
亜鉛は、私たちの体にとって欠かせない必須ミネラルのひとつであり、体内では300種類以上の酵素と深く関わりあい活躍しています。亜鉛を構成成分とする酵素の役割は以下のようなものがあります。
🔹 味覚や嗅覚の正常な働きの維持
🔹 皮膚や粘膜の健康維持
🔹 たんぱく質やDNAの合成
🔹 インスリンの合成・分泌のサポート
🔹 性機能の維持
🔹 細胞分裂や新陳代謝の促進
🔹 免疫力の維持・向上
亜鉛不足のサイン──こんな症状がある人は注意!
以下のような症状がある方は、亜鉛不足の可能性があります。
🔸 味覚障害(味が薄く感じる)
🔸 口内炎が治りにくい
🔸 傷が治りにくい
🔸 皮膚がカサカサする・湿疹ができやすい
🔸 髪が抜けやすい
🔸 風邪をひきやすい
亜鉛は味を感じるための味蕾細胞の産生に重要なミネラルです。そのため、亜鉛が不足すると味を感じにくくなります。味覚障害といえば、新型コロナウイルス感染で注目された症状だと思いますが、亜鉛はウイルスに対抗するために活躍する栄養素でもあります。そのため、感染時は亜鉛がより多く消費されるということです。またストレス等でも亜鉛は消費されます。風邪をひいた際や仕事が忙しい時などは、積極的に亜鉛を摂取することが重要です。
亜鉛が不足すると、様々な症状がみられますが、亜鉛不足に日常で気づきやすいサインのひとつが「爪の変化」です。
✔ 爪に白い点や線(白斑)がよく出る
✔ 爪が縦に割れたり欠けやすい
✔ 二枚爪になりやすい
これらは、細胞の再生力や代謝の低下を示すサインでもあり、亜鉛不足の可能性があります。

糖尿病と亜鉛──膵臓β細胞に豊富なミネラル
亜鉛は、さらに糖尿病とも深い関わりがあります。
膵臓の中でインスリンを分泌する「β細胞」には、亜鉛が非常に多く存在しています。
この亜鉛は、インスリンの合成・貯蔵・分泌をスムーズに行ううえで重要な役割を果たしています。
つまり、亜鉛が不足すると、インスリンの働きそのものに悪影響を及ぼす可能性があります。
また、糖尿病の方は尿中へのミネラル排泄が多くなる傾向があり、亜鉛も失われやすくなり悪循環となります。
血糖値が安定しにくい、薬を使ってもコントロールが難しいといった方は、亜鉛にも注目すべきでしょう。
食事から亜鉛を摂るには?
亜鉛は体内で合成できないため、毎日の食事からの摂取が基本になります。
次のような食材を意識して取り入れてみてください。
🦪 牡蠣(亜鉛の含有量が非常に豊富)
🥩 牛肉、豚レバー、鶏もも肉
🐟 さんま、いわし、鮭
🥚 卵
🥜 ナッツ類(特にカシューナッツ)
🌾 全粒粉パン、そば、納豆
🥬 緑黄色野菜(ブロッコリー、小松菜など)
亜鉛の吸収をよくするには?
実は、亜鉛は吸収されにくいミネラルです。
ストレスや加齢などによっても吸収率が下がることもわかっています。
次のような食材も一緒に摂取して吸収率を高めたいところです。
~亜鉛の吸収を助ける食材・成分~
🍋 ビタミンC:抗酸化作用があり、亜鉛の吸収を高めます → レモン、キウイ、ブロッコリー、パプリカ など
🌱 クエン酸、酢酸:胃酸の分泌を助け、ミネラルの吸収率を上げます → 梅干し、酢の物、柑橘類 など
一方で、タンニン(お茶)フィチン酸(玄米や豆類)やポリフェノール(赤ワイン、ブルーベリー等)は、亜鉛の吸収を妨げることがあるため、これらを含む食材をよく摂取する方は注意が必要です。

亜鉛が支える健康的な毎日
いかがでしたか?
亜鉛は目立たないながらも、私たちの健康を支えてくれる大切な栄養素です。
✔ 免疫・味覚・肌・髪に関わるミネラル
✔ 膵臓のβ細胞にも多く存在し、糖尿病との関係も深い
✔ ウイルス感染やストレスで不足しやすい
「なんとなく不調」が続くときや、血糖値が気になる方も、ぜひ亜鉛の存在を思い出してみてください。
また、効率的な摂取を希望される方には、サプリメントも準備しております。ご興味がある方は是非ご相談ください。
それではまた。