ビタミンD
「ビタミンD、足りていますか?」
~健康維持と感染症予防に欠かせない栄養素~
前回のブログでは、私たちの健康を支える大切な栄養素「ビタミンC」についてお話ししましたが、今回はその続きとして、もう一つ注目したい「ビタミンD」を取り上げます。ビタミンDといえば、骨の健康を支える栄養素としてよく知られていますが、それだけではありません。実は私たちの体のさまざまな部分で、大切な役割を果たしているんです。どんな働きがあるのか、ぜひ最後まで読んでみてください!
ビタミンDの役割って?
「ビタミンD」と聞くと、まず骨を強くする栄養素をイメージする方が多いのではないでしょうか?確かにその通りで、ビタミンDはカルシウムの吸収を助けて骨や歯を丈夫に保つために欠かせません。これが不足すると、骨粗しょう症や骨折のリスクが高まることも…。でも、ビタミンDの働きはそれだけじゃありません!
腸でも大活躍しているのがビタミンD。食事から摂った栄養をしっかり吸収するサポートをしてくれるんです。腸内環境が整えば、全身の健康にも良い影響が。つまり、ビタミンDは「健康を支える縁の下の力持ち」と言えますね。
ビタミンDが不足すると?
現代の生活では、ビタミンDが不足しがちです。たとえば、こんなことに心当たりはありませんか?
- 日光に当たる時間が少ない
- 魚やキノコ類をあまり食べていない
- 冬場は家にこもりがち
これらが続くと、ビタミンDの血中濃度が低下してしまいます。
不足すると、慢性的な疲れや筋力の低下、気分が落ち込みやすくなるといった体の不調につながることもあるんです。
感染症予防とビタミンDの意外な関係
最近の研究で、ビタミンDが免疫を調整する働きがあることがわかっています。風邪やインフルエンザ、新型コロナウイルスなど、さまざまな感染症の予防や重症化リスクの低下に関係しているという報告も。つまり、ビタミンDが十分にあることで、免疫力が正常に働きやすくなるということです。
一つビタミンDの効果を示した論文を紹介します。この研究では、血液中のビタミンD(25-ヒドロキシビタミンD)濃度と新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の感染率との関係を調査しました。結果として、ビタミンD濃度が十分な人は、濃度が不足している人に比べて感染率が低い傾向が見られました。ビタミンDが免疫力を高め、感染リスクを下げる可能性があることが示唆されています。
Kaufman HW, Niles JK, Kroll MH, Bi C, Holick MF. SARS-CoV-2 positivity rates associated with circulating 25-hydroxyvitamin D levels. PLoS One. 2020 Sep 17;15(9)
日常でできるビタミンD対策
具体的には次のような対策が有効です。
- 日光浴:1日15~30分、顔や腕に日光を浴びるだけでOK。ただし、北海道の冬は日照時間が短く、外に出る機会も少ないですよね。この時期は意識的に太陽に当たるよう心がけることが大切です。
- 食事:ビタミンDが豊富な食材を積極的に取り入れましょう。
- 魚:サケ、サバ、イワシ、ニシン、カツオなど。焼いたり煮たりして手軽に食べられます。特に冬には、脂がのったサケやサバがおすすめです。
- キノコ類:「しいたけ」「まいたけ」「しめじ」などにビタミンDが多く含まれています。特に乾燥しいたけはビタミンDの宝庫!味噌汁や炒め物に加えると手軽ですね。
- 卵:卵黄にビタミンDが含まれています。ゆで卵やスクランブルエッグで朝食に取り入れてみてはいかがでしょうか
- 強化食品:ビタミンDを強化した牛乳やヨーグルトなども便利。日常の食事にプラスしてみましょう
- サプリメント:どうしても不足しがちな場合は、サプリメントもひとつの手です。ただし、摂りすぎは注意!適切な量を選ぶには専門家に相談してください。
終わりに
ビタミンDは「不足して初めて気づく栄養素」と言われるほど、気づきにくいけれど重要な存在です。ちょっと意識を変えるだけで、骨や腸の健康を守り、感染症予防にも役立てることができます。
ちなみに、「自分のビタミンD、ちゃんと足りてるのかな?」と気になったことはありませんか?
当院では自費診療にはなりますがビタミンDの血中濃度を測定することができます。ご自身の健康状態をしっかり知りたいという方は、ぜひお気軽にご相談ください。結果に基づいて、適切なアドバイスをさせていただきます。一緒に健康的な毎日を目指しましょう!